物干し竿の下で紙パックのビールを飲む

ただいまと言うと、台所から間延びしたおかえりが聞こえた。ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら、奥から小走りで祖母が顔を出す。くりくりのパーマをかけた小柄な祖母は、先程まで夕餉の支度をしていたのであろう、濡れた手をいつもの様に赤いエプロンで拭って、溌剌と打ち笑んだ。そうやって学校帰りの私を労うのが、彼女の日課であった。狭い玄関にて我が物顔で羽を伸ばすゴムの木の枝葉を潜るようにして、靴を脱ぐ。我が家は二世

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